培養液の種類

前回は培養液の選定についてお話しました。今回は培養液の種類についてお話します。この培養液の種類と受精卵の発育過程の間には大きな関係があります。

受精卵の発育過程の「8細胞よりも前」と「8細胞よりも後」で受精卵が成長のために必要とされる栄養素は異なります。この栄養素をどのように配合するかにより、培養液は次の2つのタイプに分けられます。

  • 1-step Medium(Single step Mediumとも呼ばれています)
  • 2-step Medium (Sequential Mediumとも呼ばれています)

1-step Medium(Single step Medium)には8細胞よりも前に必要とされる栄養素が入った「前半用」と8細胞よりも後に必要とされる栄養素が入った「後半用」の「両方」の栄養素が混ざった1本で構成されています。一方、2-step Medium(Sequential Medium)には8細胞よりも前に必要とされる栄養素だけを含んだ「前半用」と、8細胞よりも後に必要とされる栄養素だけを含んだ「後半用」の2本から構成されています。尚、こちらの培養液は2種類の培養液を連続的に用いることから、「連続的」を意味するSequential Mediumとも呼ばれます。

1-step Medium(Single step Medium)を使う場合、受精卵を最初から最後まで1種類「前半用+後半用」の培養液で培養します。一方、2-step Medium(Sequential Medium)を使う場合、8細胞期までは「前半用」培養液で培養して、8細胞期以降は「後半用」培養液で培養するため2種類の培養液を使用します。

培養液をシャンプーとリンスに例えると(かなり強引ですが…)、1-step Medium(Single step Medium)はリンスインシャンプー1本、2-step Medium(Sequential Medium)はシャンプーとリンスの2本となります。

1-step Medium(Single step Medium)と2-step Medium(Sequential Medium)にはそれぞれ、メリット・デメリットがあります。当院では両タイプの培養液を使用しておりますが、各々のメリットを最大限に、デメリットを最小限にするよう医師と培養士で患者様に応じて相談を行いながら使用法を工夫しております。

この前の記事「培養液の選定」でも触れましたが、これら2タイプの培養液の使い分けについても、どの患者さんにどちらのタイプが適しているのかというベストな培養液選択が出来ればと思います。

文責:平岡(培養室長)