治療成績_年齢別回収卵数と当院の卵巣刺激方法のこと(2018.11~2019.10)

一般的に体外受精は月経3日目から卵巣刺激を行い、月経13日目前後に採卵を行います。当院の場合、様々な刺激を行っておりますが大きく分けると次の3パターンです。
(1)8-10日間毎日注射をうつ刺激(アンタゴニスト法、ロング法、ショート法)
(2)内服に加え、約2日に一度注射をうつ刺激(クロミッドHMG法)
(3)注射をうたない刺激(クロミッド法・自然法)です。

第一選択は注射をうつ刺激を推奨していますが、もともと卵子数が少ない方、反復して良好胚が得られない方などには注射を使用しない刺激法を選択しています。注射をうつ理由は5個以上の回収卵を獲得するためです。移植できる胚は採卵で回収卵の3割程度です(39歳までは3割、40歳以上は2割)。35歳までは卵子数が少ない方は多くないので8~10個程度の回収卵をイメージして薬の量を決定しています。35~39歳は回収卵の分布図を見ていただければわかるように7個を境目に回収卵数が2つ山ができています。これは元々の卵巣予備能の分布に差があることに起因します。そのため全員に同じような刺激を行うことは効率的ではないと思っております。卵巣刺激時の卵子数をみてどちらの群を考えれば治療・費用・通院効率がよくなるかを検討します。卵子数が1~3個とより少ない方もいらっしゃいますので無理に注射を投与したりせず負担を少しでも軽減できるように考えて行っております。

お仕事を抱えている方、お子様がいらっしゃる方が多いことから、AMHが低い方は、できるだけ通院回数を増やさないように卵巣刺激を行ってきました。結果40-43歳の女性患者の移植あたりの妊娠率は35%と高い水準に達成することができましたが、採卵あたりの妊娠率で考えると、来年以降たくさん卵子が回収できそうな年齢の高い女性患者様にはしっかり卵巣刺激をすることも再検討していこうと思っています。卵子数が少ない患者様も多くいらっしゃいますので、できる限り継続しやすいように負担の少ない治療法で採卵回数を重ねられる選択肢も残せるように説明をする義務があると思っています。 卵子数とAMHは当院のデータで相関を出していますので、こちらに従って卵子の多い少ないは決定しています。

文責:川井(院長)