内膜の着床の窓はいつも一緒なの?

内膜の着床の窓(受精卵が子宮内膜に接着・浸潤し着床できる時期)は人によって幅や時期が異なるとされています。実際に一般不妊治療の間は調べる検査が存在しませんが、体外受精治療を行った際には胚盤胞の戻す時期を決めるERA検査(http://www.kameda-ivf.jp/ja/checkup/006/index.html)が一般的になってきています。問題は着床の窓は同じ人では変わらないのでしょうか。
検査を行っているIgenomix社では「特別な状況がないと変わらない」というのがパブリックコメントとなっています。その上で参考として引用される論文は以下の通りです。

  1. ERA検査を7名の検者で三年間の間隔をあけて内膜の窓を確認したところ、検査結果は一致した
    Díaz-Gimeno P ら:Fertil Steril. 2013
  2. 内膜症の存在でも内膜の窓のずれのリスク因子とはならない。
    Juan A Garcia-Velascoら:Reprod Biomed Online. 2015
  3. 腺筋症では内膜の窓のずれのリスク因子となる。
    Nalini Mahajanら:J Hum Reprod Sci.2018
  4. 閉経後の同じ患者でERA検査を4回やったら3回検査が異なった。
    Cho Kら:J Assist Reprod Genet. 2018

 

その他、論文にはなっていませんが、Igenomix社が体重の急激な変化や強い炎症反応が子宮に起きた場合にずれる可能性があるとしています。
論文になっているものは査読と言って第三者の目で審査されて世の中に公表されていますのでブログや学会発表で発言するのとは信頼度が異なります。ただし、①②の症例は検者数が少ない、④は閉経後の患者におこなっても意味がないなどの意見があり、ERA検査の解釈は慎重に行うべきだと思っています。
私たちは200例以上の患者で実施し、協力施設を含めると300例のデータを解析していますが、本当に事前に内膜のずれがあることを認識するのが難しく、結果の解釈を取り違えるとずっと間違ったまちがった時期に胚を戻してしまうのではないかという不安にいつも苛まれます。
Igenomix社の日本支社や本部の方々もとても親切に対応してくださいますので、今後も着床不全患者には適切な時期に推奨していきたいと思っています。
過去にERA検査に関してお話ししたラジオや記事もご参考になさってください。

igenomix社のラジオ番組でお話しした内容

「子宮内膜の着床能検査 ERA検査」 ~ ERA検査の有効性について~
http://842fm.west-tokyo.co.jp/fm842/podcast/2019/10/-vol792019106.shtml

婦人科で悩む女性をサポートするポータルサイト「ジネコ」で取材していただいた記事
https://www.jineko.net/magazines/5633

文責:川井(院長)