TwitterとInstagramでの不妊関連キーワード調査(論文紹介)

論文はアメリカからの報告です。『fertility(不妊)』、『infertility(不妊)』、『ttc (try to conceive:妊娠にトライする)』、『egg freezing(卵子凍結)』、『ivf(体外受精)』、『endometriosis(内膜症)』、『reproductive(生殖)』のキーワードを持つアカウントを検索し、英語ではないアカウント、プライベートなアカウント、1年以上投稿がないアカウント、検索用語とは無関係のコンテンツを持つアカウントは除外されています。アカウントは、学会認定の生殖医療医、インフルエンサーなどの発信者別、内容別に検討し評価しています。結果 537個(Twitter 278個、Instagram 259個)がみつかり、Instagramのコンテンツ(1290件のレビュー)は、主に個人的な話(31.7%)またはインスピレーション/サポート(23.7%)でした。Twitterのコンテンツ(1390件)は、プロモーション(28.2%)、研究・教育(20.2%)が主で、39のアカウント(12.5%)がインフルエンサーでした。不妊治療のインフルエンサーは、認知/サポートアカウント(59.8%Twitter、25.0%Instagram)、患者(12.8%Twitter、25%Instagram)、その他(17.9%Twitter、21.0%Instagram)が内容として多い傾向にありました。学会認定の生殖医療医は、7.7%のTwitterと7.1%のInstagramのみでした。結論として患者様が健康情報を入手し、それに関与するためにソーシャルメディアを利用することが増えているため、不妊治療に関連するソーシャルメディアの状況を理解することが非常に重要になっています。この理解は、患者との関係を良好にし、正確な情報を確実に発信するのに役立つかもしれません。彼らはディスカッションのなかで、今後も不妊分野のソーシャルメディアのもつ意味合いがおおきくなっていくことが考えられるため、
①不妊治療にかかわる人たちがソーシャルメディアのなかで自身の発言権を確立すること
②ソーシャルメディアを利用することにより、より不妊治療分野において定期的な発信をしていくことの必要性
③ソーシャルメディアに発信することにより医療関係者自身が勉強し成長すること

に触れています。
Jennifer K. Blakemoreら、JARG (2020) 37:1371–1378

私見

日本でも2018年に医療法が厳しくなり、1.過大、過剰な表現、2. 診療科目にない診療の表示(虚偽の表現)、3. 手術前後の比較画像や利用者の体験談をホームページに掲載することができなくなりました。ただ不妊分野によると治療をうけて妊娠した患者様の声や体験談などは治療を受ける患者様の支えになることも多くあり、ブログや口コミサイト、TwitterとInstagramなど様々な媒体で発信され続けています。

当初は私自身、患者様の個人情報が同定されかねないものを表にだすことや古い情報などもネットに蓄積されていきますので敬遠しておりましたが、患者様がソーシャルメディアの情報過多の中でどんどん路頭に迷っていく姿に直面する機会が増えてきたこともあり、私たちも発信することを決意しました。論文を読んで新しい知見を積むのは医師の業務だと考えているので辛くないのですが、文章化するという作業はいかんせん苦手です。いつまでつづけられるかわかりませんが、継続が力なりと思っています。細くても長く続けていきたいと思います。

文責:川井(院長)