次の妊娠までどれくらい間隔をあけたらいいの?

不妊治療で第一子を授かると、次の妊娠もできるかどうか不安で早く第二子のために不妊治療を再開したいという気持ちになるようです。もちろん、職場の育休との兼ね合いや体外受精で妊娠した場合に発生する凍結余剰胚の取り扱いなど、考えなくてはいけない事項があるのだろうなと患者さまの声を聴いていて実感します。
私は、まずは夫婦間での家族での話し合いを何より優先すべきだと考えています。
妊娠の間隔については「授乳がおわり月経(排卵)が定期的にもどってきたらも妊娠は大丈夫です。帝王切開後は子宮破裂のリスクがあるから次の妊娠まで一年あけましょうね」と、産婦人科になったときから先輩たちから教わったことを患者さまに伝えるにとどまっていましたが、医学的な観点から最低限あけたほうがよい間隔を少し調べてみました。2019年にアメリカ産婦人科学会(ACOG)とアメリカ母体胎児医学会(SMFM)からガイドラインがでていますので参考にしました。
https://www.acog.org/clinical/clinical-guidance/obstetric-care-consensus/articles/2019/01/interpregnancy-care

妊娠間隔

分娩後6ヶ月以内の妊娠、分娩から分娩の期間を18ヶ月以内の場合、周産期合併症(妊娠糖尿病や早産)や胎児異常(自閉症や低出生体重児)のリスクがあがることが20本近い観察研究から報告されているようです。2000年前後の論文が多くデータ集計に疑問がのこる部分が多いです。例えば2014年、2017年の研究では早産、低出生体重児は否定的、妊娠糖尿病は妊娠直後の体重増加に起因する部分が強いと報告されていますし、自閉症に関しては質の高い研究が存在しません。これらのことから現在も引き続き「分娩後6ヶ月以内の妊娠、分娩から分娩の期間を18ヶ月以内となること」を避けることを推奨されています。間違いないこととして、分娩から分娩の期間を18ヶ月以内の場合、陣痛の際の子宮破裂リスクが増加するようです。結果、母体死亡や輸血のリスクが増加します。

不妊症患者の妊娠間隔についても記載されています。
多嚢胞性卵巣症候群、性感染症、肥満、甲状腺機能障害などスクリーニングは、妊娠を試みる前に評価する必要がありますが、一般的に、不妊歴のある女性と治療なく妊娠出産した女性との間で妊娠間隔の長さを変えるべきではないとされています。

女性の出産年齢の高齢化もありますので前児の周産期結果や様々な因子を検討しながら治療に取り組むことがよいのかもしれません。当院では妊娠を希望される場合、「分娩後6ヶ月以降(受精卵の凍結手続き来院時はその際でもかまいません)を目安に相談、分娩後早くても1年くらいから治療を再開可能」を基本方針にしていきたいと思います。

文責:川井(院長)

お子さんを望んで妊活をされているご夫婦のためのブログです。妊娠・タイミング法・人工授精・体外受精・顕微授精などに関して、当院の成績と論文を参考に掲載しています。内容が難しい部分もありますが、どうぞご容赦ください。